負け犬の傷に、キス


俺としたことが……やってしまった。

鳥頭は言いすぎました。すみません。


男たちの敵意が今まで以上にバシバシ伝わってくる。



いつもなら俺も逃げてるけど、さすがに今回は逃げられない。


だからといって拳は振れないし……。



ここは作戦Bでいこう!



男たちが全員で俺に突撃してくる。


俺はやや身を屈め、攻撃をぎりぎりのところでいなしながら横切っていった。



よし! うまくいった!




「こいつちょこまかと……」

「うわ!? いつの間に!?」

「あ? どうし……!?」




男たちの視線が真下に移ると、赤面して動揺を隠せない。


俺はドヤ顔で手に持ってる物を見せびらかした。



「俺の、ベルト……!!」



そう、男たちを横切ったついでにベルトを抜き取ったのだ!


そのせいで男たちのズボンがずり落ち、カラフルなパンツが丸見えに。



これぞ作戦B! ベルトのB!!



逃げた2人がとうに見えなくなったのを確認したあと、2人が逃げた方向とは真逆のほうへベルトを思いきり投げた。

けっこう飛んだなぁー。



「あああベルトおおお!」

「お、覚えてろ!!」



男たちはズボンを履いてからベルトを追いかけていった。



ここまで作戦がうまくいくとは……。

ホッとした。


< 20 / 325 >

この作品をシェア

pagetop