負け犬の傷に、キス
俺としたことが……やってしまった。
鳥頭は言いすぎました。すみません。
男たちの敵意が今まで以上にバシバシ伝わってくる。
いつもなら俺も逃げてるけど、さすがに今回は逃げられない。
だからといって拳は振れないし……。
ここは作戦Bでいこう!
男たちが全員で俺に突撃してくる。
俺はやや身を屈め、攻撃をぎりぎりのところでいなしながら横切っていった。
よし! うまくいった!
「こいつちょこまかと……」
「うわ!? いつの間に!?」
「あ? どうし……!?」
男たちの視線が真下に移ると、赤面して動揺を隠せない。
俺はドヤ顔で手に持ってる物を見せびらかした。
「俺の、ベルト……!!」
そう、男たちを横切ったついでにベルトを抜き取ったのだ!
そのせいで男たちのズボンがずり落ち、カラフルなパンツが丸見えに。
これぞ作戦B! ベルトのB!!
逃げた2人がとうに見えなくなったのを確認したあと、2人が逃げた方向とは真逆のほうへベルトを思いきり投げた。
けっこう飛んだなぁー。
「あああベルトおおお!」
「お、覚えてろ!!」
男たちはズボンを履いてからベルトを追いかけていった。
ここまで作戦がうまくいくとは……。
ホッとした。