負け犬の傷に、キス






シャワーを浴びてさっぱりしたあと、2階に下りた。


乾かしたばかりの茶髪。
洗い立ての白いシャツ。

今からド派手に戦いにいくとは思えない。




「あ、やっと来た」


「準備遅ぇよ」




ホールと2階をつなぐ階段の上がったところで薫と柏が待っていた。


階段下のホールには、先に戻っていた夕日ちゃん、その隣には望空ちゃん。博くんとユキ、数人の下っ端もいる。




「あれ? 他の下っ端たちは?」


「希勇が遅ぇから先行かせた」




俺そんな遅かった!?

シャワーをゆっくりしすぎたかも。反省。




「よく眠れたの?」


「まあまあかな」




薫は無機質なあいづちを打ちながら階段を下りていく。



俺と薫と柏、博くんとユキも全員同じシャツ。

なんなら下っ端たちもそう。


同盟感を出したい!
と、俺が提案したらこうなった。


チーム感があってイイ!!




「作戦に変更はない?」


「ありません。標的たちも向かっているようだと、先に出向いた双雷の下っ端さんたちが連絡してくれました」


「あとは俺らも参戦すりゃカンペキだ」




俺がホールへ行くと、博くんとユキの意欲をひしひしと感じた。


おお、やる気満々だな。

ユキなんか竹刀をすでに手に持ってるし。


俺も頑張らなきゃな!


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