負け犬の傷に、キス
*
シャワーを浴びてさっぱりしたあと、2階に下りた。
乾かしたばかりの茶髪。
洗い立ての白いシャツ。
今からド派手に戦いにいくとは思えない。
「あ、やっと来た」
「準備遅ぇよ」
ホールと2階をつなぐ階段の上がったところで薫と柏が待っていた。
階段下のホールには、先に戻っていた夕日ちゃん、その隣には望空ちゃん。博くんとユキ、数人の下っ端もいる。
「あれ? 他の下っ端たちは?」
「希勇が遅ぇから先行かせた」
俺そんな遅かった!?
シャワーをゆっくりしすぎたかも。反省。
「よく眠れたの?」
「まあまあかな」
薫は無機質なあいづちを打ちながら階段を下りていく。
俺と薫と柏、博くんとユキも全員同じシャツ。
なんなら下っ端たちもそう。
同盟感を出したい!
と、俺が提案したらこうなった。
チーム感があってイイ!!
「作戦に変更はない?」
「ありません。標的たちも向かっているようだと、先に出向いた双雷の下っ端さんたちが連絡してくれました」
「あとは俺らも参戦すりゃカンペキだ」
俺がホールへ行くと、博くんとユキの意欲をひしひしと感じた。
おお、やる気満々だな。
ユキなんか竹刀をすでに手に持ってるし。
俺も頑張らなきゃな!