負け犬の傷に、キス
混ざりに行く前にやることがあるだろふたりとも!
薫と博くんは既に行動してる。
ビルの正面入口を何台ものバイクで塞いだ。
これで逃げにくくできた。
「あとは……」
標的のバイクと思しきところから武器になりそうな物、“薬”であろう粉末の入った袋を回収していく。
それらを路地に隠した。
「こんなもんかな~」
「んじゃあ俺らも参戦しようぜ」
「何人かワナにかかってくれるといいんですが」
「あいつら単細胞だからな。けっこうかかってんじゃねぇか?」
俺はズボンのポケットに手のひらを重ねた。
大丈夫。俺にはお守りがある。
夕日ちゃんがついてる。
俺なりに戦い抜いてみせる!
「よし! 突入しよう!」
俺がグッと拳をかかげれば、4つの拳も上がった。
カギの壊れた非常口から、ビルの中に侵入する。
「では、作戦通りに」
博くんのひそませた声に頷き、各自移動する。
博くんとユキは1階。
薫と柏は2階。
そして俺は最上階。
各フロアごとに標的を片付けていき、その階にいなくなったら下りていく。1階が一番広々としているため、最初から下っ端を多く配置させた。