ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

そこに凌駕が病室へ入ってきた。
椿はすぐに泣きながらベッドを降りて裸足のまま凌駕の方へ向かう。

頭に包帯を巻いた凌駕の体に倒れこむようにして抱き着く椿。
凌駕がすぐに抱き留める。
「大丈夫だよ。これ、大げさなだけで全然平気。」
凌駕が椿に言っても椿は泣きながら凌駕の体にすがりつく。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
何度も何度も謝る椿に凌駕が「椿ちゃんは悪くないでしょ。謝るのは間違ってるよ。」と繰り返す。

「大丈夫。」
凌駕が椿の体を抱きしめる。
「椿ちゃんこそ無事でよかった。」
椿の無事を確かめて凌駕も心からほっとしていた。

「まだ休んだほうがいい。」
海がそう言って椿の体をベッドに戻す。
外れた点滴を直してもらおうと海は看護師を呼んだ。
椿はベッドに戻ってからも顔を覆って泣き続けた。