ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
「椿。苦しいな。つらいな・・・」
強く椿の体を抱きしめながらその華奢な体で抱えている運命の大きさを感じて、海はいたたまれなかった。

できることなら変わってやりたい。

「袋持ってきました!」
凌駕が持ってきた袋をすぐに椿の口にあてる。
「ゆっくり息できる?」
凌駕も椿の正面に座りその口に袋をあてながら椿を心配そうにのぞき込む。

「大丈夫。大丈夫だよ。」
凌駕が椿の肩をさする。

少しずつ呼吸が落ち着いた椿は海の腕の中で眠ってしまった。

そんな椿を凌駕も海も心配で仕方なく一人にできない。

結局、椿をベッドに寝せて、ベッドの横で凌駕も海も眠れぬ夜を過ごした。
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