ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
物音がして目を覚ました海。そこに椿がいないことに焦って客間を出ると、キッチンに椿が立っていた。
「?」
海が椿の方へ近付くと椿は何やら食事を作っていた。

「おはようございます」
まだ顔色の悪い椿が海を見る。ほとんど眠ることができていないのだろうとすぐに察することができた。何をしているのか海がキッチンの方へ回ろうとすると椿が自分の手元を見ながら海に言った。
「勝手にある材料を使ってしまいました。」
「別にいいけど」
椿は何やら食事を作っている。

「いいにおい」
凌駕も起きてきて、キッチンに海と凌駕、椿が並ぶ。
海と凌駕は一瞬目を合わせた。

椿の状態が心配だ。そして、今の椿にどう向き合うことが正解なのか分からないまま二人はただ椿に寄り添って離れなかった。
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