ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

がんばる姿勢

「いらっしゃいませ」
「・・・いらっしゃいませ・・・」
椿が花屋に勤め始めてから一週間が過ぎた。

凌駕が店の中に入ってきた客に挨拶をすると椿は遠慮がちに客に挨拶をした。
凌駕の後ろに隠れようとするのを凌駕がグイっと前に背中を押して出す。
「へっ！？」
気の抜けた声を出しながら椿が振り返る。

凌駕は椿が動揺して助けを求めてくるのを心を鬼にしてさらに前に体を押した。
「頑張って。勤めて一週間たったんだから。そろそろ。」
椿は凌駕の後ろに隠れようとするが、凌駕の力に負けて簡単に客の前に出てしまった。

小さく深呼吸をしてから椿は覚悟を決めて客の方を見る。
「いらっしゃいませ」
挙動不審な店員に年配の女性客は椿をじろっと見た。
その視線にさらに椿が動揺する。

凌駕は何かあればいつでもフォローできる位置から椿を見ている。