ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

「椿」
「・・・？」

夜になり面会時間がもうすぐ終わろうとするとき、うとうととしていた椿に海が話しかけた。

椿がまだ隣に寄り添い横になっている海の方へ視線を向ける。

そんな椿の目を見て海が優しく微笑んだ。

「外出するか。今度の店が休みの日。」
「外出・・・？」
小さな声でつぶやく椿は目を丸くしている。

「そう。いつも頑張ってるからさ。なんか・・・息抜き？」
「・・・」
「今、お前自分と出かけるとまた迷惑かけるとか余計なこと考えてるだろ。」
「・・・」
「俺が椿と出かけたいんだよ」
そう言った海のまっすぐな穏やかで包み込むような視線に椿は少し考えてから首を縦に振った。