ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

今までの人生で、そんなことを言われたことのなかった椿。

こんなにも自分を大切に想い、愛してくれた人はいなかった。


誰かにこんなことを言われたいと思い、願ったこともあった。
誰かの幸せをうらやんだりした。

でも、自分には手に入れられないものなのだと、遠いものなのだとあきらめかけていたものをすべてくれた海。

椿は涙をぽろぽろと流しながらありったけの気持ちを込めて海に伝えた。


「私も・・・生きる理由は・・・あなたです・・・」
「椿。愛してる。」
「・・・・私も・・・愛してる・・・」

二人は大きな椿の木の下で、想いを伝え合い、微笑みあった。


椿のまぶしいほどの微笑みはまだ少しぎこちない。
それでも、こんなにも満ち足りた気持ちになれる微笑みをこれまで見たことのなかった海は思わずその唇に口づけた。