ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
男は海に小さく頭を下げて椿を再び見る。

「・・・」
「何かお探しですか?」
二人の関係が分からないいじょう、”何も言えない”と差しさわりの無い質問をする海。
男は海の方に再び視線を移した。
「あー。花に用はないんです。そこにいる娘に用があるんです。」
男の言葉に椿を見る海。

父親なら言えよ!と言いたいのをこらえながら椿を見ると、さらに青い顔をして震えていた。

「はじめまして。この店の店長をしています。松崎海と申します。」
海がもう一度椿の父親という人の方を見て挨拶をする。
「店長さんですか。お若いんですね。」
「そうですかね。まだ店も年数が浅いので」
「椿。ちゃんと家に帰って来なさい。待ってるから。話があるんだ。」

男の言葉に、椿は小さく頷いた。
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