ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
海は凌駕を見送ってから店の中に戻った。
少しずつ母の日用に店のディスプレイが変わっていく。

その間にも客もやってくる。

~♪
「いらっしゃいませ」
客が来たベルが鳴り海が店の入り口の方を見た。

作業中だった椿が客の方へ向かう。
「なにかありましたら、声おかけくださいね」
「ありがとうございます」
若い女性客は店の奥にいる海に視線を向けながら、椿にこたえた。

海は前よりも客に話しかけるぎこちなさがましになっている椿に、少し安心しながら作業に戻った。

「母の日の花を探してるんです。鉢植えをプレゼントして、そのまま庭に植えてほしいと思うんですけど。」
女性客の言葉に椿が「はい」と答えて、いくつかの花を紹介し始めた。
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