ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

「母もかわいそうな人だと・・・思うんです・・・」
「うん・・・」
「誰からも永遠に続く・・・関係をもらえない・・・」
新しい出会いに嬉しそうな母も、関係が終わり落ち込む母も何度も何度も見て来た椿。
新しい人と過ごしているときは自分に目もくれない。それでも、関係が終わると自分の方に依存してくる母。曖昧で不定期的に注がれる愛情に、椿はいつも不安だった。

そして、何度も何度も別れを経験する母を見ていて永遠に続くものなんてないのだと思っている椿。

でも、誰よりも永遠に続く愛を、安定した愛を、穏やかな愛を夢見ている・・・。

「私・・・今幸せすぎます・・・人生で・・・一番・・・」
「うん」
「こんなに温かい場所・・・はじめてで・・・すごく大切です」
「うん」
「でも、初めてだから。・・・どうやって守ればいいかわからない・・・。大切にする方法が分からない・・・だからごめんなさい・・・」
「どうして謝んだよ」
椿の頭を撫でる海。その声はどこまでも優しい。