幼馴染みから恋人へ変わるために必要なのは…？ーー拗らせな二人の恋模様

その言葉を合図にどちらからともなく顔がゆっくり近づく…

後少しで唇が触れそうなとき、私はゆっくり目を閉じた。

そこでけたたましく鳴り響く電子アラーム音。

一瞬で我に返る。

「なんの音？」

スマホを手にアラームを止める亜也斗に聞く。

「いや、えっと、100秒終わるまでにお前に気持ちを伝えようかなって…俺なりの100秒チャレンジ？」

はあ？

なにそれ？

まるで告白がゲームみたいになってるじゃないのよ。

「ちょっと、亜也斗、わかってるーーーんっ、」

一言、言ってやろうと思うのにその口は亜也斗の唇で塞がれてしまった。

一瞬で離れると、

「チャレンジ成功したんだからご褒美もらわねぇとな？」

悪びれることもなく笑ってそういう亜也斗に呆れつつも、やっぱり私は幼馴染みでもある亜也斗のこういうところ好きだなと実感する。

「もう…しょうがないな。」

その言葉をさらに自分勝手に受けとるとそっと頬に手を添えられた。

「咲里、好きだ。花火は俺と行け。」

「強引な誘い方だね。だけどいいよ、行ってあげる。」

嬉しいようなくすぐったくなるような誘いに思わず照れ隠しでそっけなく返事する。

こういうのも直していかなきゃだな。

もっと素直にならないと。

二度目に唇に触れる瞬間、亜也斗が言った。

ーーー二人で最高の夏の思い出作ろうな。この先もずっと…

二度目のキスはさっきよりも長かった。