君のおまじないがあるから

私はチラリと時計を見る。もう学校は放課後になっている時間だ。でも，今日は友達はみんな部活やバイトがあって来られないと言っていた。情緒不安定の時は、誰かと話したいのに……。

すると、ガチャッとドアが開いた。お医者さんか看護師さんかな？私は慌てて涙を拭い、ドアの方を見る。

「やっほ〜。来ちゃった！」

手を振っている人を見て、私は一気に安心する。それは、幼なじみで私の彼氏の亮（りょう）ちゃんだった。

「亮ちゃん、何で？いつも来る時連絡くれるのに」

「美鈴（みすず）を驚かせたくて」

ニコッと笑い、亮ちゃんは私の横に座る。近くに人がいるだけでホッとする。こんな時は、一人でいたくない。

「学校はどんな感じ？」

「相変わらずだよ。数学の水野の授業は聞いてて眠くなる」