【BL】近くて遠い、遠くて近い。





赤ブロックの勝利です!!》




"赤"というフレーズが出たとほぼ同時に
向かいの陣にいる赤ブロック全員が立ち上がって
大きな歓声をあげた。


ナオくんも拳を上げてガッツポーズをした。

騎馬役と握手をしてホッとしたように笑う彼を見て
なんだかオレも涙が出そうになった。




よかった。

よう頑張ったね。

大きな怪我もなく。

心の中でしか喜んであげられへんのが

ほんまに残念で仕方ない。




青ブロックが敗れたことで、
オレの周りは少し落ち込みムード。

でも拍手で敵の勝利を祝っていた。




オレもナオくんに拍手を送ると、

また、ナオくんがこちらを向いた。





…?? なんやろ…?
やっぱオレやろか…??
え、ちゃうかな…。





目を凝らして見てみると、

ナオくんは口をぱくぱくさせて

こちらに笑みを飛ばした。






" ひ い ろ ー "






!?!?

オレ!?






自分の顔を指さして首をかしげると、

ナオくんはいたずらに笑って小さく2回頷いた。





ヒイロって。

ヒイロって。





みんなの前で、名前呼ばれた。

やばい。





でもなんでオレ!?





顔が熱くなるのをこらえて
いや、きっとこらえきれてないけど、

懸命に笑顔を作って
周りにバレないよう小さく手を振って見せた。





すると、ナオくんは小さく
胸元でガッツポーズをして
調子よくドヤ顔を見せた。





ちょっと吹き出してしまった。


でもなんか、こんなに離れてんのに

嬉しいな。







オレを、見つけてくれて。

名前、呼んでくれて。







騎馬戦勝利おめでとう、ナオくん。






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