BLUE
雄一は中学からずっと一緒だ。
僕のことは大体知っている。
なぜか雄一のことも自分は大体わかる。
別にいつも一緒に遊んでいたわけじゃないが、そんな関係だった。

「シュウは彼女切れたことないからな。俺も彼女ほしい~。」

「いてもいなくても結局変わんねーよ」

「うらやましいなぁ。
 金はあるし、背は高いし、成績優秀でイケメンで。」

「はは。」

「普通そういう奴ってねたまれるんだけどな。でもお前いつもオレらとか友達優先じゃん?だから別に嫌な気しないんだわ。」

「別に誰からも好かれたいとか思わないけど。でもお前にそう言われると楽。」

「そ?」

雄一は頼んだハンバーグを平らげると立ち上がった。

「ビリヤードしない?」

僕は笑った。

「お前、自分が得意なのってずるくない?」

「シュウに勝ったのって右手の指の数ぐらいだろ。何でも出来て可愛くない奴。」

奈緒との別れより、雄一との短い別れのほうが、なんだか寂しかった。
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