BLUE

彼女が来るまで、人の流れをずっと見ていた。
こんなにも人が溢れ返っているうっとおしい場所で、僕はなぜ、懐かしさに満ちているのだろう。

彼女の声を聞いたとたんに、昔の彼女の姿がしっかりと頭によみがえっていたのだ。

さっきまでと全く違う心の中の疼きが、いつしか期待へと変わっていた。

僕は無意識に彼女を探そうとしていた。
僕の記憶にある彼女の姿を。




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