私の命は貴方のもの
       龍也の思い


俺は大道 龍也


不動産会社の専務


曾祖父の代までは極道だった


しかし爺さんの代で組をたたみ


本格的に不動産事業に力を入れたらしい


でもまだ極道の名残はある


代々大道組に使えていた者は俺を


若と呼ぶ


なかなか極道だった名残は消えない


俺は父親がある事に執着していた事で嫌気


がさし、冷血になった


優しさの微塵もない男


女は性欲の吐口にしか思っていない


毎日女を変え抱いた


そんな俺の側にいる秘書近藤 要


こいつは俺の事を知り尽くしている


どんなに気持ちを隠しても…


こいつにはバレてしまう


こいつにしか本音は話さない


もう一人本音が言えるのが…


俺の爺さん


極道を嫌い…不動産会社を作った


そして極道をやめて真っ当に生きようと


している


俺はいつも爺さんの所に逃げていた


母親は親父から愛されず…苦しんでいた


俺は親父に女がいると思っていたが…


後から違っていた事を知る


母親は若くして癌で亡くなった


たぶん親父の事、母親の事で俺は俺で


なくなった


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