一緒に話そう〜デートは甘く、君は優しく〜
こんな風に書かれていたら、美人な子だったら告白かと胸を弾ませるかもしれない。でも私は逆。怖くなった。呼び出されて、集団でいじめられるんじゃないかとか、不安はずっと胸の中にあった。

放課後、行きたくなかったけど、呼び出したのが誰なのか気になったし、どうして呼び出したのか知りたかったので、重い足を引きずって中庭に行く。

中庭は、昼休みは生徒がお昼を食べていたりするけど、放課後はいつも誰もいない。でも、今日は違った。

「えっ……。星野くん?」

そこにいたのは、この学校のアイドルとも言われる星野彼方(ほしのかなた)くんだった。雑誌に読者モデルとしてよく載っている。

「あ、来てくれたんだ」

私を見ると、星野くんはニコリと笑う。多くの女子はこの笑顔でときめくんだ。私だって例外じゃない。でも、星野くんとはクラスで関わったことなどあまりない。強いて言うなら、授業のグループ活動が数回同じになったくらいだ。
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