一緒に話そう〜デートは甘く、君は優しく〜
待ち合わせ場所に行くと、当然星野くんは女の子たちの注目の的だった。白のロングTシャツに黒パンツとオシャレなモノトーンファッションだ。私に気付くと手を振り、微笑んでくれる。

「おはよう、唐沢さん!」

「お、おはよう!」

私も挨拶を返す。今日一日、この人の隣に並ぶのか……。突き刺さってくるのは、「何であんな子が?」と言いたげな視線。だから、告白をオッケーしたくなかったんだ。傷つくのが目を見えていたから……。

「行こう!」

星野くんは、学校ではあまり見せない無邪気な笑顔を見せ、私の手を掴んだ。男の子の手ってこんなに大きくてあったかいの?

「ほ、星野くん……。手……」

私が顔を赤くして言うと、「付き合ってるんだし、いいでしょ?」と照れたように笑って返される。私は何も言えずに星野くんの後に続いた。

「今日はどこに行くの?」

「クラスメートとかが絶対に来ないであろう場所!」

星野くんと電車に乗る。隣に座った時、とても近い距離にドキドキした。横顔さえ驚くほど整っている。
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