一緒に話そう〜デートは甘く、君は優しく〜
ジッと見つめられ、時が止まる。まるで世界に二人しかいないみたいな、不思議な感覚ーーー。

「星野くん……」

「彼方って呼んでよ」

私の唇に指をそっと当て、星……彼方くんはニッと笑う。私はドキドキしながら「か、彼方くん……」と小声で呼んだ。恥ずかしくて死にそう……。

「やばい……。破壊力ありすぎ……」

彼方くんはそう言い、手を顔に当てる。学校では見ない顔だ。こんなに照れているところ、見たことがない。

「こんな顔見せるの、杏ちゃんの前だけだからね。だから、杏ちゃんもそんな可愛い顔を他の男子に見せないでよ?」

私の心を読んだのか、彼方くんが笑って言う。そんな……可愛いだなんて……。

その時、頼んだトライフルが運ばれて来た。写真で見るよりもずっと大きく、二人で食べるのにちょうどいいサイズだ。

「食べよう?」

彼方くんにスプーンを渡され、「ありがとう」と受け取る。一口食べると私の顔は喜びで染まった。
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