一緒に話そう〜デートは甘く、君は優しく〜
「おいしい!」

「だろ?」

トライフルを食べながら、彼方くんと話す。学校のこと、家のこと、趣味のこと……。たくさん話すうちに、ポロリと言ってしまっていた。

「彼方くんは、どうして私なんかと付き合いたいって思ったの?」

彼方くんの周りには、たくさん可愛い子はいる。読者モデルをしているなら、モデルの知り合いだってたくさんいるだろう。どうして、私みたいな地味な子を彼女にしたのか、わからない。

「……純粋に、可愛かったから」

彼方くんはそう言い、私を見つめる。その目は真剣で嘘なんてない。私は、彼方くんの言葉を待った。

「笑顔が可愛くて、真面目で、どんなことも一生懸命で、人が嫌がることも進んでやっていて、可愛いなって思った。媚を売ったりしないし、初めて女の子に興味持った。杏ちゃんはさ、もっと自信持っていいと思う!だって、杏ちゃんより素敵な女の子なんて見たことないから!」

まるで、少女漫画のワンシーンみたいだ。こんなことを言われる日が来るなんて……。
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