『好き』って気持ちを伝える日

３

　ブクブクと誠司はチョコレート色になった湯船に半分顔をつけた反対側に座っている梨沙子を睨んでいる。BGMはバレンタインの定番が流れている。

　「誠司君そういじけないの」

　「だっていつも一緒に入る時は俺が頭のテッペンから足のつま先まで隈なく梨沙子ちゃん洗ってあげるのに……先に洗っちゃうんだもん」とまたブクブクしている。

　「バレンタインだからいつも美味しいご飯食べさせてもらっているからご奉仕ししたかったの、チョコの香りするからといって飲んだらダメだよ」

　「そんなのわかってる」とブクブクさせる。

　「もう、かわいいんだから」と梨沙子は誠司方に寄り誠司は顔を出してのけぞりそこを梨沙子は抱きつく。

　「梨沙子ちゃん？」

　「体もあったまったし上がろっか？」

　「うっ、うん」

　「体拭いてね♡」

　「うん、梨沙子ちゃんはまだ入っていてね」と梨沙子をよけて勢いよく上がる。