リベンジ学園
(やっぱり加藤先生は紗栄子のいじめに気づいていたんだ……)



加藤の左肩から流れる真っ赤な血を見ながら、凉子はさっき加藤が自分たちにウソをついていたことを確信していた。



(クラスの担任教師をしていて、紗栄子へのいじめに気づかないわけがない。

紗栄子はいじめられて、いつも孤立していた。

それは誰の目にも明らかだったから)



紗栄子は立花誠二を槍のひと突きで即死させたが、加藤先生のことは一撃で仕留めず、左肩を突き刺したのは偶然ではないだろう。



紗栄子はわざと加藤を殺さなかったのだ。



加藤を簡単には殺さず、いたぶるために。



紗栄子は加藤の左肩に突き刺さっていた制裁の槍を引き抜くと、今度は加藤の胸に強烈な蹴りをくらわせ、加藤は音楽室の床に勢いよく転がった。



そして加藤がどうしようもない絶望の中で、ゆっくりと体を起こそうとしたとき、今度は制裁の槍の刃先が加藤の右肩を貫いた。
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