リベンジ学園
「待って、紗栄子。

先生を殺さないで!」



凉子がそう叫ぶと、紗栄子の動きがピタリと止まり、少ししたあとに紗栄子がゆっくりと凉子の方を振り返った。



そして凉子の目と紗栄子の憎しみに満ちた目が合った瞬間、凉子の心臓がドキリと跳ねて、凉子は死への恐怖を感じていた。



(紗栄子の憎しみに満ちた目が怖い……。

私は紗栄子に話しかけるべきじゃなかったのかも……。

そうすれば、紗栄子の目が私に向けられることはなかったのに……)



紗栄子は制裁の槍を加藤の右肩から引き抜き、その刃先を凉子に向けた。



凉子は学級委員長を務めるクラスの優等生で、本当ならばそんな凉子が紗栄子へのいじめを止めさせるべきだったのかもしれなかった。



でも凉子にはそんな勇気がなかった。



凉子だって、晴江や虎治が怖かったから。



紗栄子と凉子は目を合わせたまま、しばらく無言で向き合っていた。



でもそんなとき、凉子のマイページが急に開き、チャットの画面に切り替わった。



『峯岸凉子。

お前は優等生ぶったいじめの傍観者だ。

もしかしたらお前は、自分には罪がないと思っているのかもしれない。

でも、それは違う。

私はお前を憎んでいる!』
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