リベンジ学園
「そうだよね、凉子」



勇気を振り絞って凉子が言った言葉に麻耶が泣きながら共感していた。



「私も凉子と同じ気持ちだったよ。

私たちは強くない。

自分を守ることで精一杯だったんだよね」



紗栄子の意識が凉子と麻耶に引きつけられているうちに、加藤は静かに起き上がり、音楽室から逃げ出すタイミングを伺っていた。



「ねぇ、紗栄子。

私たちを許して!

もしも立場が逆だったらきっと紗栄子だって……」



凉子が紗栄子にそう言ったとき、加藤が紗栄子を警戒しながら立ち上がって、音楽室の外を目指して走り出した。



凉子と麻耶はその行動にハッとして息が止まり、紗栄子はまるで加藤のその行動を予測していたように振り返ると、逃げる加藤に飛びかかった。



そして紗栄子は手にした制裁の槍を勢いよく突き出し、加藤の背中を槍の刃先で貫いた。
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