リベンジ学園
『スイッチオン、スイッチオン。

今から西条学園中学の西門が開きます。

今から西条学園中学の西門が開きます』



西条学園中学の全校舎にAIアナウンサーからの校内放送が流れた。



この瞬間、このゲームに参加している生存者は全員、自分たちがついに学園の外に出るチャンスが訪れたことを知った。



晴江はまるで自分が全能の神にでもなったかのように自分の手柄を誇り、早苗や菜々美もこの残酷なデスゲームに出口ができたことをよろこんでいた。



「やっぱりこのゲームを制するのは私みたいね。

まぁ、敵が紗栄子じゃ、初めから役不足だけど」



晴江がクラスの女王の名の通り威厳たっぷりにそう言うと、早苗が晴江にこう言った。



「やったね、晴江。

すぐに西門に行こう。

これでこの学園を出れるよ」



早苗がそう言うと、晴江はまた早苗の言葉を否定した。



「西門に向かうのは紗栄子の居場所を特定してからよ。

このゲームに参加している全員が西門が開いていることを知っている今、西門に何の仕掛けもない方がおかしいわ」



晴江の研ぎ澄まされた直感が、ゲームクリアが簡単過ぎると、警告のシグナルを発していた。



もしも自分がこのリベンジゲームを主催するなら、参加者全員を殺すようにゲームを設計するだろう。



晴江がそう思っていたときAIアナウンサーが、もう一つの重大なニュースを全校舎に放送した。
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