リベンジ学園
「だけどよ、校舎内でなかなか悲鳴が聞こえてこねぇな。

みんな、紗栄子から上手いこと隠れてやがるんだぜ」



「そりゃ、みんなも生き残るのに必死なはずだから。

紗栄子に見つかったら、殺されると思っているから」



「隠れるなんてのは、ただの延命処置だぜ。

あの生神亮治がリベンジゲームの主催者なのによ、日の出までに見つけられない奴がいると思うか?

日の出まで隠れていようなんて、それこそ自殺行為だぜ」



虎治がそう言って持論を辰雄に話したとき、前の方から複数人の人影がゆっくりと虎治の方に近づいていた。



「誰か来るよ、虎治君。

うちのクラスの奴みたいだけど……」



校舎の暗い廊下に三体の人影が見えて、その人影が虎治の方に歩いてきていた。



そして両者が互いの顔がわかるまで近づいたとき、虎治がニヤリと笑ってこう言った。



「何だ、晴江かよ。

子分を引き連れて、どこに行くつもりだ?」



そう話しかけてきた虎治に今度は晴江がニヤリと笑い、虎治をからかうようにこう言った。



「狂犬虎治が金属バットを担いでどこに行くつもり?

まさかバカなことを考えているんじゃないでしょうね」



「勘が冴えてるじゃねぇか。

そのまさかだ。

オレたちはこの金属バットで紗栄子のことをぶっ殺す!」



虎治がそう言うと、晴江は虎治らしいその言葉にうれしそうに笑っていた。



「やっぱりバカね。

でも私は虎治のバカなところが嫌いじゃないよ」



虎治はいつもと変わらない晴江の高慢な態度に晴江らしさを感じていた。
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