リベンジ学園
「お前からもらった遺書はじつにおもしろかった。

お前はクラスメイトに復讐がしたいんだろ?

お前がいた西条学園中学を復讐の舞台にして」



紗栄子は生神亮治の話を夢見心地で聞いていた。



もしも自分が強い自分に変われたらと思い、その最後の望みを遺書に託し、生神亮治に送ったのを紗栄子は覚えていた。



でもそれは半分以上が夢物語で、叶うことはないと思っていた。



紗栄子は自分がまだ生きていることを知ると、ゆっくりと両手を動かし、その手をじっと見つめていた。



校舎の屋上から飛び降りたはずなのに、自分の手は自由に動くし、体に痛い箇所もない。



紗栄子は今、奇跡が起きていることを実感しながら、生神亮治の話を聞いていた。



「私はお前の遺書を読んで、お前の夢に協力することを決めたんだ。

お前を生き返らせることなんて、私には簡単なことなんだよ。

研究所にある七万体のクローン人間からお前に近い体を探して、その体にお前の記憶を移し変える。

そしてお前の顔にそっくりなフェイスマスクを移植すれば、新しい小原紗栄子が誕生する。

素晴らしいだろ、科学の力は!」



生神亮治はそう言うと、不気味に笑いながら紗栄子に手鏡を手渡した。



紗栄子はその手鏡を手に取り、自分の顔を写してみた。



すると、そこには生前の自分の顔とまるで同じな自分がいた。



紗栄子はその奇跡の出来事がうれしくて、声を詰まらせ泣いてた。
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