リベンジ学園
「私がお前に復讐のチャンスをあげよう。

6月6日の午後6時に、お前は憎きクラスメイトが待つ西条学園中学の3年2組の教室に行くんだ。

あいつらを皆殺しにするために。

それがお前の願いなんだろ、小原紗栄子」



紗栄子はそう言った生神亮治に目を向けて、泣きながら小さくうなずいた。



それを見た生神は満足気に笑っていた。



生神はまだ四十代なはずなのに、長くて薄い白髪と痩せこけて血色の悪い顔のせいで六十代に見えるほどに老けていた。



そしてそんな生神亮治の顔は、まるで死神のようにも見える。



紗栄子はそんなことを頭の中で思いながら、生神に話しかけていた。



「生神先生、私を蘇らせてくれてありがとうございます。

でも生神先生、私はどうすればクラスメイトに復讐ができるんですか?

私は弱い人間なのに……」



「安心しろ、小原紗栄子。

お前は私の力を信じているだけでいい」



生神亮治はそう言って、不気味な顔で笑っていた。



紗栄子はまだよく知らない生神に不安な気持ちを抱えながらも、世界的に有名な科学者である生神の言葉を盲目的に信じることを決意した。



「今のお前の体には成人男子の二倍の力がある。

だからお前はクラスメイトに決して負けない。

私はお前が西条学園中学のクラスメイトに復讐するイベントに、リベンジゲームという名をつけた。

お前は封鎖された西条学園中学で、あの制裁の槍を使って、クラスメイトを皆殺しにしてくるんだ!」



紗栄子は生神にそう言われ、部屋の隅に置いてあった制裁の槍に目を向けた。



その制裁の槍と呼ばれている長さ1.5メートルほどの鉄の棒には鋭い刃がついており、その刃先で人を貫けば、簡単に人を殺せると紗栄子は思った。
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