リベンジ学園
薄暗い廊下を歩いていくと、血まみれの遺体がしだいに鮮明に見えてくる。



紗栄子に殺されたのはクラスで一番のイケメン男子の野中守だ。



あれほど女子から人気があったイケメンも死んでしまえば人の形をした肉の塊になってしまう。



死んで意思を持たなくなった人間は、誰もがそれを望まないのに、やがて腐り、朽ち果てていく。



ほんの数時間前まで、野中守こんなデスゲームに巻き込まれると思ってすらいなかったのに……。



辰雄は虎治の背中を追いながら、紗栄子に襲われないように神経を研ぎ澄ませていた。



まともに紗栄子と戦えば、きっと自分は負けるだろう。



でも、もしも紗栄子に不意打ちを食らわせることができたなら、自分にも勝機がある。



おそらく勝負は一瞬で決まる。



死にたくなければ、その一瞬にかけるしかないだろう。
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