リベンジ学園
(死ね、紗栄子!

この一撃でリベンジゲームは終わりだ!)



辰雄は紗栄子との間合いに入り、紗栄子の背後から渾身の力を込めてバッドを振り抜いた。



でもそのとき、紗栄子が辰雄の気配に気づき、殺意のこもった瞳で辰雄の目を射抜くようににらんでいた。



(紗栄子に気づかれた……。

でも、そんなことでもう迷うな。

このままバッドを振り抜け!)



辰雄は殺意がこもった瞳を向けられたまま、全力でバッドを振り下ろした。



そしてその瞬間に、紗栄子がバッドの軌道から頭をかわすように体をねじった。



辰雄が振り下ろしたバッドは狙っていた紗栄子の頭には当たらなかったが、紗栄子の左肩に勢いよく直撃した。



辰雄の両手には渾身の力を込めたバッドの一振りが紗栄子の左肩の骨を砕いた確かな感触があった。



そしてリベンジゲームが開始されてから初めて、紗栄子の叫び声が西条学園中学の校舎に響き渡った。



辰雄は自分が大きな仕事をやり遂げた満足感の中で、つんざくような紗栄子の叫び声を聞いていた。
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