リベンジ学園
「おい、バケモノ。

お前はなかなか死なないらしいがオレがお前の息の根を止めてやる。

あの世で生き返ったことを後悔しやがれ!」



紗栄子は虎治の声を聞きながら、我が身に代えても原島虎治を殺したいと強く思った。



紗栄子が虎治と山岳部の部室で会う約束をしたあの日、紗栄子は虎治が絶望の暗闇から救い出してくれると期待していた。



晴江のグループは紗栄子を目の敵にして、全人格を否定する勢いで紗栄子をいじめていた。



それを見ていたはずのクラスメイトたちは、そんな事実がないかのように、友達と何気ないことを話して笑っていた。



唯一、紗栄子を心配していた智恵も教室の中で紗栄子と話すことはなかった。



でも虎治はそんな紗栄子を救ってくれる素振りを見せた。



それは紗栄子にとっての蜘蛛の糸で、その蜘蛛の糸をたどっていけば、紗栄子は地獄から生還できると思っていた。



原島虎治が自分を騙していると紗栄子が気づく前までは……。



(私にも幸せになる権利があるはずなのに、どうしてみんなが私を地獄に落とそうとするのだろう?

私の不幸を見て幸せを感じている奴らはクズだ。

いつかそんな奴らに復讐したい。

あいつらにも地獄を見せてやりたい)
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