リベンジ学園
中学三年生になった紗栄子は自分の心の中にある劣等感を受け止めて、自分自身に言い聞かせた。



自分は他のクラスメイトが見れるような大きな夢を見ない。



その代わり、自分が手を伸ばせば届くような小さな夢を大切にしていたい。



今の自分にある大切なもの。



大好きなお母さん、友達の智恵、毎日の中学生生活。



自分の手のひらは他のクラスメイトたちよりも小さくて、たくさんの幸せを乗せたら、きっとこぼれ落ちていってしまう。



だから自分は本当に大切なものだけをこの手の中に収めていたい。



自分はそれで幸せだから。



自分とクラスメイトを比べる必要なんてどこにもないから。
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