リベンジ学園
紗栄子が学校でのいじめの相談をできるのは友達の智恵だけだった。



智恵はいつも優しく紗栄子の相談に乗ってくれていた。



でもそんな智恵も紗栄子へのいじめを終わらせることはできなかった。



紗栄子は八方塞がりの状況の中で、鉛のように重く沈んだ心を励ますように、自分自身に言い聞かせた。



(今はつらいけど、いじめになんか負けちゃダメだ。

いつか私にも笑える日が来るはずだから。

その日が来るまで耐えていればいいのだから)



紗栄子のそんな思いとは裏腹にクラスでの紗栄子へのいじめは止まらず、さらに過激さを増していた。



そのことを紗栄子は加藤先生に相談したが、加藤先生は紗栄子の話をまともに聞いてくれなかった。



つらい毎日の生活の中で紗栄子は逃げ道を失い、精神的に追い詰められていた。



もしも自分が死んでしまえば、今、自分が抱えている悩みはすべて消えてなくなるだろうか?



そんなことを紗栄子は一人で考えていた。
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