リベンジ学園
「ああ……、紗栄子……」



智恵は見上げた先に立っていた傷だらけの紗栄子を見ると、胸が押しつぶされるような思いでつぶやいていた。



紗栄子の顎は陥没して血まみれになっており、左腕の骨は折れてグニャリと垂れ下がっているだけだった。



そして紗栄子の白いセーラー服は左胸を中心に血まみれになっており、そんな満身創痍の紗栄子がこの場に立っていること自体、智恵は信じられなかった。



そんな紗栄子を智恵が目にしてしばらくすると、智恵の瞳から大粒の涙が次から次へとこぼれ落ちてきた。



紗栄子がこんなにボロボロの姿になってまでやりたかった復讐ってなんだろう?



もうその場に倒れ込んで、動かないでいる方がずっと楽なはずなのに、紗栄子はここに隠れていた自分を見つけにきた。



智恵はそこまで復讐にこだわる紗栄子の気持ちを想像し、紗栄子をそこまで追い込んでしまった自分の裏切りに胸が痛んだ。



「やっと見つけた……。

私は智恵を探していた……」



紗栄子は制裁の槍をなくした右手で智恵を指差すと、いつものようにチャットではなく、直接、智恵に話しかけてきた。



智恵はそんな紗栄子の弱々しい言葉を泣きながら聞いていた。



「智恵、私ね、悔しかった……。

私だってみんなと同じ普通の中学生なはずなのに、みんなから無視されて、いじめられて……。

だけど、そんな私を智恵だけはわかってくれると思っていた。

私たちは友達だから……」
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