リベンジ学園
生神に送られてきたその手紙は、小原紗栄子という女子中学生の遺書だった。



小原紗栄子という女子中学生は、この国民総平等時代と言われているこの世の中で、クラスメイトからいじめられ、絶望の中で死ぬらしい。



人が働かなくてもAIやロボットが生み出した富で生きていくことが可能な世の中で絶望を感じている人間は希少だ。



それなのに、なぜ小原紗栄子のような未来に希望を持てない中学生が存在するのか?



なぜ、皆が平等に富を分配できる世の中でいじめが起きるのか?



そこに人間の本質が隠されているのではないかと生神は考えた。



誰かが絶望のどん底にあるとき、傍観者たちは幸せを感じている。



自分はあいつじゃなくて良かったって……。
< 42 / 264 >

この作品をシェア

pagetop