リベンジ学園
「そこの女子生徒はよく気づいたね」



生神はそう言うと、得意気に言葉を続けた。



「たしかにここにいる小原紗栄子はお前たちが本当によく知っている小原紗栄子ではない。

我が研究所の施設内には様々なタイプのクローン人間が存在する。

その数は七万体。

老若男女、様々なタイプが存在していて、私は小原紗栄子に似た一体のクローン人間に小原紗栄子の記憶を移した。

そして小原紗栄子の遺体から顔型を取り、小原紗栄子にそっくりなフェイスマスクを作り、そのクローン人間に馴染ませたのだ。

人間が死んでも、その人間の記憶を他の人間の脳に移し変えることができるなら、人は新たな肉体の中で生き続けることができる。

私の度重なる実験の結果、人は他人の体を乗っとることで不老不死を手に入れたのだ」



「偉そうに言いやがって!

お前のその説明が本当なら、そこにいる紗栄子は生身の人間ってことだろ?

だったらオレが紗栄子を殺してやる!

それでこのゲームはおしまいだ!」



誠二はイスを手にして紗栄子の方へと勢いよく走り出した。



そしてそのイスを紗栄子の頭めがけて、思いっきり振り下ろした。
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