リベンジ学園
(何だよ、あの足の速さは……。

あれじゃ、全力で走っても逃げられない……)



暗くなってきた校庭の中で、照明に照された紗栄子が鬼のような形相で制裁の槍を右手に持って迫っていた。



あの制裁の槍のひと突きで、立花誠二は殺された。



そんなことを思い出すと悟の顔は紗栄子への恐怖で歪み、それを見た純一は悟の様子がおかしいことに気づいていた。



紗栄子の存在にまだ気づいていない純一は、いつもと変わらぬ落ち着いたテンションで様子がおかしい悟に話しかけていた。



「どうした、悟。

何か変わったことが……」



純一が悟に話しかけたその瞬間、紗栄子が振りかざした制裁の槍が純一の背中に突き刺さり、胸を貫通した。



そして純一の血がべっとりとついた制裁の槍の先端は悟の胸の近くでピタリと止まった。
< 67 / 264 >

この作品をシェア

pagetop