リベンジ学園
『私はいじめの傍観者を憎んでいた。

お前たちは私が苦しんでいるのを見て見ぬフリをして、心の中で私のことを笑っていたんだ!』



次から次へと送られてくる紗栄子のメッセージに悟は生きた心地がしなかった。



前方にいる紗栄子と後方でライフル銃を構えている自衛隊が、悟の逃げ道を完全に塞いでいた。



『私にはお前たちの気持ちがわかっていた。

いじめられているのが自分じゃなくて、小原紗栄子で良かった。

紗栄子が苦しんでいても、自分は少しも苦しくない。

お前たちはそう思いながら私を見ていた!』



殺気をみなぎらせて、一歩一歩近づいてくる紗栄子の存在は、死へのカウントダウンそのものだった。



悟はそんな死へのカウントダウンに耐えきれずに、自衛隊がライフル銃を構えているフェイスへと全力で走り出していた。



(逃げなきゃ……。

あのフェンスの外に行けばオレは助かる。

オレはこの学園を抜け出すんだ!)



恐怖にかられた悟がフェンスへとたどり着くと、悟は無我夢中でフェンスを上り始めた。



でもそのとき、自衛隊が一斉にライフル銃を撃ち、放たれた複数の銃弾が悟の体に命中して、悟はフェンスから力なく落下した。
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