リベンジ学園
『四人目、野村智恵。

私の唯一の友達だったのに、智恵は私を裏切った。

友達だって信じていたのに……』



智恵は紗栄子からのメッセージにある自分の名前にドキリとして息が詰まった。



それと同時に自分を友達だと思ってくれていた紗栄子を裏切った罪悪感に胸が押しつぶされそうになっていた。



智恵は誰よりも紗栄子がつらい思いをしていることを知っていた。



助けて欲しいと願っていることを知っていた。



でも、もしも自分がいじめられている紗栄子を助けようとしたならざ、弱い自分はきっと紗栄子と同じ目にあうに違いない。



だから智恵は紗栄子から目をそらし、紗栄子へのいじめを見て見ぬフリをし続けていた。



紗栄子はそんな自分を深く憎んでいた。



自分が想像していたよりもずっと深く……。



智恵はそんなことを思いながら流れ落ちる涙を拭うと、紗栄子からのメッセージの続きを見ていた。
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