愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜



「そりゃそうだろ、そいつらにもプライドはあるからな」

ハッと馬鹿にしたように笑う副総長の陽翔。
見下しているのがわかる。


「でも手を組まれたのは困ったなぁ、俺たちの目的からどんどんかけ離れていくよ」

「あの、瀬野くんたちの目的って…?」


「ん?それはもちろん“統一”だよ。3チーム全員が統一すれば、きっと安定するだろうから。今はあまりにも荒れすぎてる」


それは裏の世界、という意味だろう。

つまり昨日の奇襲だけでなく、喧嘩が絶えないということだろうか。


「すごいでしょ、僕たちの総長は。
残り2チームの欲に塗れた総長とは全然違うんだよ」


ここにきて初めて光希くんが目を輝かせ、尊敬の眼差しを瀬野に向ける。


「欲…」

「いいか川上さん、涼介が目指しているのは“統一”。
でも他の2チームの総長は…」

「───掌握」


副総長の陽翔という男が代わって説明をし始めたけれど、多分一番いいところをゲームをしている翼という男が口にした。

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