愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「何か喋ったらどうだ?」
「……服を裂かれたらもうこれ着れないんだけど、代わりあるの?」
「……は?」
本当は怖い。
先ほどから心臓の脈打つ速さが異常だったけれど。
口では強いことを言う。
相手に屈服するのが嫌なのだ。
「ははっ!なんだ川上さんすっげぇ面白いこと言うじゃん!泣き叫ぶかと思ってたけど、これは期待できそうだな」
次の瞬間。
服の裾にハサミを合わされ、切り裂かれる音がした。
思わずビクッと肩が跳ねる。
「けど体は怖がってんじゃん。
びっくりして、ほら…指先も震えてる」
手を握られ、とっさに振り払ってしまうけれど。
相手は私の反応を見て笑うばかり。
「いいなぁ、強気女も嫌いじゃない。
このまま犯すってのもアリだ」
「……やっ」
咄嗟に出た抵抗の言葉も虚しく、シャツも全部切り裂かれてしまう。
露わになるのは下着と肌。
「うっわ、服の隙間から見えてる感じがたまんねぇ。ほら、ちゃんと撮ってるか?」
「もちろんです!」
カシャカシャと聞こえるシャッター音。
今すぐこの場から立ち去りたい。
それとも誰か私を気絶させて欲しい。