愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「そうなの…?」
「そうだよ!僕たちがずっと愛佳ちゃんの後をつけて見守るのもいいけど、それだと愛佳ちゃんが負担だろうって。
敵の尻尾を掴めるきっかけになるかなっていう気持ちも、多少はあったかもしれないけど…第一に愛佳ちゃんのことを考えてたのは本当だよ!」
ね?と瀬野に同意を求める光希くん。
じっと瀬野を見つめれば、ふっと笑って抱きしめられる。
「まあ第一に川上さんのことを考えていたのは本当かな。どうしたら心も体も俺に堕ちてくれるだろうとか。
川上さんを守るだけを考えていたら、あらかじめ敵を仕留めておくとかもっと他にも方法はあったけど…この機会を利用したのは事実だよ」
「…っ、ひどいよ瀬野くん」
「もー!涼ちゃん!なんでそう、悲しませる言い方をするかな…!?本当に女心をわかってない!」
私の代わりに怒る光希くん。
けれど彼も容認していたことに変わり無い。