愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「だからこそここで誓わせて。
必ず煌凰も倒して統一する」
「……絶対?」
「絶対だよ、約束する。
だから俺の隣でずっと見ててよ」
「私も統一するまで居ろって?」
「もう今更、川上さんを手放せないよ」
少し抱きしめる力を強められる。
離さない、その意思が込められているかのようで。
「私が嫌って言っても離してくれないんでしょ?」
「……うん」
「認めるな、バカ」
「だってこんなにも川上さんは俺を夢中にさせるんだ」
別に夢中にさせた覚えはない。
勝手に興味を持たれているだけのような気がするけれど。
「もし私をそばに置きたいなら、責任持って守りなさいよ」
「うん、絶対に守り抜くよ。
もう川上さんに傷を負わせたくない」
「今回の怪我はまぁ、私が悪いんだけど…言ってくれても良かったでしょ?陽翔くんが裏切り者で、わざと人質になってくれって」
「ごめんね、本当に反省してる。
今思えば話しておくべきだったなって」
「……もう隠さない?」
「川上さんが傷つくくらいなら、全部話した方が良い」
それなら安心だ。
私だって今日に起こったことを全て知っていたら、また違う行動をとっていたかもしれない。
とはいえ光希くんが暴力を受けているのを黙って見ていろだなんて、そんなことはできない。