愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「今日はあんたもここに泊まるの?」
「うん、川上さんのそばにいる」
「寝る場所は私と同じベッド?」
「嫌なら座って寝るから大丈夫だよ」
「別に一緒に寝てもいいけど…私は疲れたから先に寝ようかな」
もう外は真っ暗で、外からの光など一切入ってこない。
少し早いけれど寝てもおかしくない時間帯だ。
「うん、今日は疲れさせたよね」
「……まあ結構疲れた。
瀬野は?寝るの?」
「俺は川上さんが寝るまで起きてるよ」
私の頭をポンポンしたかと思えば、瀬野が離れてしまう。
なんだかそれが少し不服だった。
「……あっそ」
「川上さん?」
急に素っ気ない対応をした私を見て、ふと異変に気づいた瀬野。
名前を呼ばれるけれど、無視して横になろうとした。
が、自分だけモヤモヤするのも嫌だったため、瀬野にこの気持ちをぶつけてやろうと思った。
「瀬野」
「どうしたの?」
「こっち来て」
「……?」
瀬野を手招きして、もう一度自分のそばに来てもらう。