愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「ひーくん!」
「……きゃっ…!?」
それはあまりに突然だった。
光希くんが私の後ろに回ったかと思うと、突然響くんの名前を呼ぶなり私の背中を押してきて。
油断していた私はバランスを崩し、響くんの元へと倒れ込んでしまった。
「ご、ごめんね響くん…!
いきなりどうしたの光希く…」
慌てて響くんから離れ、光希くんの方を振り向こうとしたけれど。
「…い、今…触れた、女が…俺に…」
「……ひ、響くん?」
突然響くんが声を震わせながら話し出すものだから、恐る恐る顔を上げると───
「えっ…」
目の前には驚くべき光景が。
耳まで真っ赤に染まった響くんの姿があったのだ。
「女が、女が…」
「あははっ!見て見て、ひーくんが壊れたよ!」
ちょっと待て、頭が追いつかない。
明らかに様子が変わった響くんを見て、光希くんは楽しそうに笑い声をあげる。
「光希、お前ってやつは本当に性格悪いな」
悠真くんは呆れたようにため息を吐き、響くんのそばまでやってきた。