彼女と私の見分けかた
いつものように、人より頭ひとつデカイ俺が彼女を眺めていると、彼女が乗った二駅先から小さなコイツは乗ってきた。

大きな大人たちに埋もれて苦しそうにしていたコイツを、彼女は扉が開いて人が動いた瞬間自分のそばに引き寄せ押し潰されないように盾になった。

その行動は翌日にも続き、それが日常となり、二人は毎朝一緒に電車の中で過ごすようになっていて。

俺も……。

彼女と会えない朝は、彼女が気にかけ守っている小さなコイツを俺が守り、気がつけば俺とコイツも知り合いになっていた。
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