彼女と私の見分けかた
「ねぇっ!藤咲菜月が男に気を取られてスタメン外されたってその相手って服部くんだよね?」

バスケの試合観戦をしながら、インターハイでプレイしたいと目を輝かせて話していたのに、スタメンを外された…⁉

「はぁ⁉」
びっくりして聞き返した俺に

「彼女から聞いてないの?」
と眉を潜めた。

「得意のスリーポイントが全然入らなくなって都大会からスタメン外されたんだよ!
しかもこの間…Bリーグの試合二人で観に行ってなかった?」

「…行った…」

「3年に見られてたみたいで、男といちゃいちゃしてるからだって言われたみたいで、都大会前に気合いたりないって怒られて…。だから反省じゃないけど気合いいれましたって髪を切っちゃったって…。
友達がN女のバスケ部で教えてくれたの」

「……」


「今日、練習試合でうちに来るけど服部くん!
藤咲菜月に今日は近づかないであげてね。
3年に睨まれてるのに二人で話してるとこなんてみられたらますます彼女の立場悪くなるからね!」

黙り込んだままの俺に

「わかった!!絶対に近づかないでね!」

何度も念を押されたが、菜月ちゃんが放課後練習試合でうちの学校に来る!
俺の頭の中は放課後までずっと菜月ちゃんでいっぱいになっていた。
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