彼女と私の見分けかた
練習試合には思った以上にT高の生徒が見に来ていた。

インターハイ常連で有名でもあったが、近隣高校で美人なキャプテンはさらに有名人で、有名なバンドのベーシスト白崎大翔の娘でいつか芸能界入りするのではないかと噂される程の美人で私達の高校の試合にギャラリーが集まるのは珍しくはない。

それでも今日は授業は半日で3時からの練習試合なのに、かなりの生徒が集まっていて、その中に彼の姿を見つけることはなく、がっかりもしたがほっとする自分がいた。

うん、大丈夫。試合に集中しよう。

ホイッスルがなる。

今年のT高は男女共に強く、私達と同じように都大会を勝ち抜き関東大会出場を決めている。
試合がはじまり、前半もあと少しで終わる頃コーチに呼ばれた。

「藤咲、後半からだすから準備しておけ」

「はいっ!!」

結果をだしたい!気持ちがあせる。
だけど…ほとんど眠れていなくて食べていない私の体力の消耗は激しくコートを走る身体が重い。
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